画像の形式は、JPG・PNG・WebP・HEICなど、いくつもあります。どれで保存しても同じに見えますが、実は得意なことと苦手なことが違います。この記事では、4つの形式を比べたうえで、選び方の流れ、iPhoneのHEICで困る場面と対処、形式を変える時の注意点を解説します。

形式の違いは、情報の持ち方の違い

画像の形式とは、画像のデータを、どんな決まりでファイルに書き込むかの違いです。違いが出やすいのは、次の4つの点です。

  • JPG(JPEG):1670万色ほどを表せるので、写真に向きます。情報を捨てて小さくする方式で、透明は扱えません。ほぼすべての機器やソフトで開けます。
  • PNG:情報を捨てないので、線や文字がくっきり残ります。半透明を含む、透明も扱えます。写真だと、ファイルが大きくなりがちです。
  • WebP:Googleが開発した比較的新しい形式です。情報を捨てる方式も、捨てない方式も選べ、透明も扱えます。同じ見た目なら、JPGやPNGより小さくなることが多いとされています。
  • HEIC:iPhoneが写真の保存に使う形式です。小さく保存できるのが特長ですが、Windowsなどでは、そのままでは開けない場合があります。

また、対応環境の広さも違います。JPGとPNGはほとんどどこでも開け、WebPは最近のブラウザーの多くで表示できます。HEICは、対応していない環境が、まだ多く残っています。

どれを選べばよいかの判断の流れ

迷った時は、次の順に考えると決めやすくなります。

  1. 背景を透明にしたいか:透明が必要なら、PNGかWebPを選びます。JPGは透明を扱えません。
  2. ウェブページに載せるか:載せるなら、WebPが候補です。ただし、古いソフトを使う人にも見せたい場合は、JPGやPNGのほうが安心です。
  3. 写真を、誰にでも開いてほしいか:相手の環境が分からなければ、JPGが最も無難です。
  4. 文字や線の多い図か:スクリーンショットや図は、PNGのほうが、輪郭がくっきり残ります。

iPhoneのHEICで困る場面と対処

iPhoneで撮った写真をパソコンに移したら開けない、相手に送ったら見られなかった。そんな困りごとは、HEICが原因のことがよくあります。Windowsでは、追加の拡張機能が必要になる場合があり、ソフトによっては、対応していないこともあります。

対処の方法は、大きく2つです。1つは、iPhone側で、撮影の形式を変えることです。「設定」の「カメラ」にある「フォーマット」で、「互換性優先」を選ぶと、以降の写真はJPGで保存されます。もう1つは、すでに撮った写真を、JPGに変換してから渡すことです。アプリによっては、送る時に自動でJPGに変換される場合もありますが、サービスによって異なります。

実際に困った場面

以前、iPhoneで撮った写真を何枚かパソコンの人に送ったところ、「開けない」と返事が来たことがあります。こちらの画面では普通に見えているので、最初は何が起きているのか分かりませんでした。

原因は、写真がHEICという形式で保存されていたことでした。相手の環境では、この形式に対応していなかったのです。

その時は、いったん自分の手元でJPGに変換してから送り直して解決しました。今は、社外の人に送る写真は最初からJPGにしてから渡すようにしています。送る前のひと手間ですが、「開けません」のやり取りが往復するよりずっと早く済みます。

形式を変えると、元には戻せない

形式を変える時に、いちばん気をつけたいのは、情報を捨てる方式への変換です。PNGの写真をJPGにすると、ファイルは小さくなりますが、捨てた情報は、あとからPNGに戻しても復元できません。JPGの保存を繰り返すたびに、少しずつ劣化することもあります。大切な写真は、元のファイルを残したまま、コピーを変換するのが基本です。

また、ファイルの名前の拡張子(「.jpg」など)を書き換えるだけでは、形式は変わりません。中身は元のままなので、開けなくなることがあります。形式を変える時は、変換の機能を使って、書き出し直してください。

形式を変えて容量が変わった具体例

同じ写真を3つの形式で保存し直して、容量を比べてみました。使ったのは、スマホで撮った風景写真(4032×3024ピクセル)です。

  • JPG:3.9MB
  • PNG:22.9MB
  • WebP:2.3MB

PNGだけが極端に大きくなりました。写真のように色数の多い画像では、PNGは得意分野から外れるためです。

一方で、文字が入ったスクリーンショットで同じことを試すと、PNGのほうが文字のフチがくっきりして、容量もJPGとほとんど変わりませんでした。「写真かイラストか」で向き不向きがはっきり分かれることを、数字で見て納得しました。

まとめ

JPGは写真向きで、どこでも開けます。PNGは透明と、くっきりした線が得意です。WebPはウェブ向きで、小さくできる一方、古いソフトでは開けない場合があります。HEICはiPhoneの標準の形式で、Windowsでは困ることがあります。迷った時は、透明が必要か、ウェブか、相手の環境はどうか、の順に考え、変換する前の元のファイルは残しておきましょう。